コロナ禍を契機に
現場に行かず
設計を進められる
デジタル化を推進

株式会社NJS
東京総合事務所
BIM推進室
戸田博之さん、塩出悠真さん
建設業界
上下水道・環境の総合建設コンサルタント
従業員数 580名〔グループ1,137名〕(2022年12月末現在)
デジタル化推進
動機

コロナ禍を契機に
現場に行かず
設計を進められる

デジタル化を
推進することに

私たち「株式会社NJS」は、下水処理場や浄水場の設計を行っています。コロナ禍に突入した頃、現地になかなか行けないという場面が出てきたんですね。しかし、現地に行かないと状況把握ができなくて設計が進まず、作業が遅れていく。その結果、後に控えている作業もどんどん遅れていく…という状況に陥りました。もちろん、「コロナが収束したら現地に行って確認しましょう」という話になってはいましたが、それがいつになるかは当時はわかりませんでした。そこで、コロナが収束しても、しなかったとしても、実際に足を運ばなくても、現場の状況をいつでも手にとって分かるデータを作っておくことは非常に有効だと感じ、Matterportの導入に踏み切ったんです。

 

Matterportにたどり着いたのは、
東京総合事務所の所長が展示会に行ったのがきっかけ。

1スキャンが20秒ちょっとと短く、撮った後に360度のバーチャル映像で確認できるという点が非常に魅力的でした。さらに、撮影したものを手動で処理するのではなく、自動化されている点もよかったですね。三次元を撮るということに対して作業時間が長くデータの取り扱いも手間がかかるため敷居の高さを感じていましたが、「簡単にできそう」という印象を受けました。

活用

バーチャル空間を活用した
設計業務や
寸法確認ができ
業務の短縮に
つながった

Matterportのメリットは、
やはり現地に行かなくても、寸法を測れるという利便性です。

私たちは、既存の構造物の耐震性を上げるための補強設計などを行っていますが、例えば今の壁よりも200ミリ厚くする場合、厚みが大きくなることにより今ある機械が邪魔にならないか、本当に工事ができるのかという判断をしないといけません。今までだと図面をもって現場に行っていたわけですが、写真を撮って、その図面を見て、何があるかを確認して…と、現場でやらなければいけないことが非常に多かったんですね。それがMatterportを導入することによって、現場でしないといけないことと、帰ってからバーチャル空間でできることを棲み分けできるようになりました。

 

また、以前は現場でやることがたくさんあったために、つい業務をやり忘れてしまうことがあったんです。

そうすると、もう一度現地に行かなければならなくなるため、お客様に迷惑をかけてしまうこともありました。しかし、Matterportを導入してからは、撮ってさえおけば、後から何度でもバーチャル空間上で確認できるため、再度現場に足を運ばなくて済むようになりました。全体的に業務時間に関しては、かなり減ったという実感があります。

効果

データをアーカイブ化して
災害からの
復旧を迅速に

現在、NJSではMatterportを各事務所で運用しており、現地に行く際の必需品として、業務活用が通常の流れとなりつつあります。クラウドを通じて映像の共有もできるため、お客様からも「非常に分かりやすい」というお声をいただいています。導入当初は現地に何度も行かなくて済むようにするということが目的だったのですが、今はさらに活用方法を発展させていければと考えています。例えば、地震や水害などでお客様の施設が被害を受けた時、Matterportのスキャンデータがあれば、建物が倒壊や水没した場合でも、「この部屋には何があるのか」といった被災前の状況が確認でき、スムーズな復旧に貢献できると考えています。業務をより効率的に進められるMatterportの可能性をいろいろと探っていきたいですね。

 

スムーズに映像を表示でき
お客様ともデータを共有できる

また、従来の3Dスキャナーで撮った映像は、ある程度のスペックがあるPCでなければスムーズに動かなかったり、映像の表示までに時間がかかってしまったりと、さまざまな課題がありました。しかし、Matterportの場合は、インターネット環境さえあれば、スペックが高くないPCであってもスムーズに映像を確認できます。
加えて、3Dドールハウスの中を歩いているかのように移動できるウォークスルー機能と、360度の写真が連携したクオリティの高い映像で、「非常に使いやすい」とお客様から高評価をいただいています。普段から多くの人が使っているようなGoogleストリートビューと同じような操作方法なので、バーチャル映像に対する苦手意識を感じさせないのかもしれませんね。

Matterport活用事例

NX羽田ビル

Pro3が導入されたばかりの頃、3階建ての自社ビルを、「屋内から外側まで全て撮影してみよう!」と試し撮りをしたバーチャル映像です。Pro3の前に所持していたPro2は屋外に適していない点がネックだったわけですが、そこを克服できた点に非常に感動しました。また、スキャン時間が一気に短縮できたことにも驚いたのを覚えています。
加えて私たちの現場ですと、上に通っている配管を撮影することが多いのですが、Pro2だと少しポイントをずらした斜めの視線からしか確認できなかったところが、視野角の広がったPro3だと下から見上げた部分も確認しやすい点にも違いを感じました。

なぜ野原グループを選んだか

安心感があった

規模の大きな会社と契約したほうが安心という点が野原グループさんから購入した理由です。現在、カメラとしては、Matterport Pro2、Pro3と、あとはLeica BLK360 G1を所持しています。もともと屋内はPro2、屋外はPro3と使い分けていたのですが、Pro3のほうがスピーディに撮影できるため、今では屋内でもPro3を出動させることが多いですね(笑)。 また、最近追加されたトリミング機能もよく活用しています。ドールハウスの見た目を整える時に便利だなと感じています。

株式会社NJS

上下水道の普及と技術者育成を目指し1951年に創業した、日本で最初の上下水道と環境の総合建設コンサルタント。「健全な水と環境を次世代に引き継ぐ」ことをパーパスに掲げ、調査から運営管理まで一貫した水インフサイクルを通じたサービス(コンサルティング、ソフトウェア)を提供することで、技術者の育成と豊かで安全な社会を創造することを使命としています。サステナブルな社会の創造に向けて、災害対策や環境保全の強化やICTを活用した生産性の向上に取り組み、地域と社会のニーズに積極的に応えている会社です。