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2025.01.31

【業界別シリーズ】Matterportで改修工事を効率化 ~現調・図面作成・再現調の課題解決事例~

業界別ブログ
活用事例

改修工事業界では、業務効率化やコスト削減がますます重要視されています。
この記事では、実際の建物や空間を3Dモデルに変換して再現するMatterportが、設計から施工、引き渡しまでのプロセスを
どのように支援し、効率化を実現するかを解説します。

INDEX

Matterportとは

Matterportとは、実際の空間をスキャンし、その空間をそのままバーチャル上に生成する技術です。アメリカのMatterport社が提供しているサービスで、Googleからも出資を受け、累計の資金調達額は100億以上にも及びます。
コロナ禍でユーザの行動スタイルがオンライン化したことをきっかけに、さまざまな業界業種でMatterportの導入が浸透しています。

詳しくは、こちらをご覧ください。

Matterport導入の3つのメリット

建設業界でも多岐に渡って導入が進むMatterportですが、「建物空間をアーカイブする」という特徴を活かし、特に改修工事においてその威力を発揮します。

Matterportユーザーが実感するメリットは、大きく分けて以下の3つがあります。

  1. 現地調査の効率化
  2. 既存図面作成の簡略化
  3. 再現調の不要化

上記3つのメリットにより、大幅なコスト削減や生産性向上が期待できます。
それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。

1. 現地調査(現調)の効率化

現地調査は、現場全体を正確に把握し、必要な情報を収集する重要なプロセスです。
しかし、情報漏れや時間制約、人材不足が課題となる場合があります。
Matterportの導入は、これらの課題に対する解決策となります。

 

 

現地調査で抱える課題

  • 情報の取りこぼし:写真の撮り忘れや寸法の測り漏れが発生しがち。
  • 再訪問の手間:漏れた情報を補うため、再び現地に出向く必要がある。
  • 経験者の減少:現調に必要なスキルを持つ人材が限られている。

 

Matterportによる改善ポイント

  1. 高精度な360度写真記録
    Matterportのスキャン機能により、現場全体を網羅し、360度での写真記録が可能です。撮影は手軽かつスピーディで、情報の取りこぼしを防ぎます。
  2. オフィスでのデータ確認
    クラウド上に保存されたデータは、事務所に戻ってからでも確認可能です。必要な箇所の寸法を何度でも測定でき、現場への再訪問回数を削減します。
  3. スキルの違い(ギャップ)の解消
    Matterportは誰が操作しても同じ品質のデータが取得できるため、調査のクオリティを均一化します。

 

実際にユーザーからは、Matterport導入によって、「関係者による現場訪問が75%減少した」という声をいただいています。

 

2. 既存図面作成の簡略化

改修工事では、正確な既存図面が欠かせません。しかし、従来のプロセスでは多くの時間と人手が必要です。
Matterportを導入することで、図面作成が大幅に簡略化されます。

図面作成での課題

  • 計測の手間:全ての寸法を正確に取得するには多くの時間を要します。
  • 専門知識の必要性:設計者や測量の経験者が関与しないと正確な図面が作成できません。
  • 外注コスト:専門業者に依頼する場合、費用がかさむことがあります。

 

Matterportの活用で実現すること

  1. 自動算出機能
    面積や間取りを自動で計測し、図面作成に必要な情報を即座に取得可能です。
  2. バーチャル現場へのアクセス
    3Dデータを活用することで、オフィスにいる間や移動中でも詳細な確認作業が可能です。
  3. コスト削減
    外注せず、自社で作業を完結できるため、コストパフォーマンスが向上します。

 

3. 再現調(現場再訪問)の削減

現地調査で情報が不十分な場合、再度現場を訪れる必要があります。
Matterportを活用することで、再現調の発生を抑えることが可能です。

再現調の問題点

  • 手間とコストの増加:現場訪問回数が増えることで、交通費や人件費がかさみます。
  • 基本設計での活用画面に表示される写真上で寸法が取れるので、有効活用ができた。
  • 情報の共有不足:現場の状況を正確に把握できず、ミスや再調整が発生することがあります。

 

Matterportの効果

  1. 初回スキャンで全情報を取得
    初回の現調時にMatterportでスキャンを行えば、現地にあるほぼすべての必要情報を記録可能です。
  2. リモートでの情報共有
    URLを共有するだけで、関係者全員がWebブラウザ上で3Dデータを確認できます。これにより、現場での会議を削減できます。
  3. 内容の濃い打ち合わせの実現
    3Dモデルを活用した打ち合わせでは、現場にいる感覚で詳細な検討が可能になります。

 

実際の事例:オフィスリニューアル工事での成果

概要

国内某内装工事会社が、1,200㎡のオフィスリニューアル工事の着工前打合せでMatterportを活用した事例です。
中部地方の現場を東京から遠隔管理するプロジェクトで、以下の成果が得られました。

  • 現場訪問回数の削減:交通費と人件費を合わせて約30万円を節約。
  • 基本設計での活用画面に表示される写真上で寸法が取れるので、有効活用ができた。
  • 施主との円滑なコミュニケーション:リモート会議での円滑な情報共有を実現。

 

 

ユーザーの声

実際にMatterportを内装改修工事で活用しているユーザーからは、以下のようなお声をいただいております

  • マネージャー:「基本設計に有効活用できた。現場を知らないスタッフとも正確に情報共有ができた。」
  • 現場担当者:「既存図面と現場の違いを見つけやすい。現調の工数が削減された。」
  • 現場管理者:「築古で既存図面が無い現場が多いので、スキャンするだけで現場全体を把握できたり、図面化工数の削減という点で手間が減った。」

 

まとめ

Matterportを導入することで、改修工事において以下のような効果が得られます

  • 現調の効率化
  • 既存図作成の簡略化
  • 再現調の不要化

さらに、人手不足・若手育成といった2025年問題の解決や、働き方改革の推進、環境負荷の低減にも寄与し、その効果は多岐に渡ります。

ご興味のある方は、ぜひお問い合わせください。

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事例を基にしたご提案をいたします。

 

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