デジタルアーカイブとは?作成方法やメリット・事例3選をご紹介
デジタル技術が発展し、さまざまなシーンで業務改善が進んでいます。
デジタルアーカイブも、デジタルテクノロジーを大いに活用し、コンテンツの保存や管理の在り方を大きく変えています。
しかし、デジタルアーカイブにはプライバシーやセキュリティをはじめとしたリスクもあり、注意しながら活用する必要があります。
本記事では、デジタルアーカイブの概要やメリット・デメリット、導入事例をわかりやすく網羅的に解説していきます。
制作手順についても解説するので、興味をお持ちの方は、本記事を参考にしながらぜひ新たな一歩を踏み出してみてください。
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デジタルアーカイブとは
デジタルアーカイブは、オンライン上にデジタル化された資料やデータのことを指します。
伝統的な紙のアーカイブと比較して、デジタルアーカイブは、情報を一元管理できたり、紛失のリスクを防げたりとさまざまなメリットがあります。
特に、2011年に発生した東日本大震災で多くのコンテンツが失われ、デジタルアーカイブが重要視されるようになりました。
美術館・博物館などでは貴重なコンテンツの保管、また一般企業では資料の共有や保存など、幅広いシーンで活用されています。
デジタルアーカイブのメリット3つ
デジタルアーカイブのメリットは次の3つです。
1.資料保管スペースの削減
2.必要データの検索と取得を効率化
3.紛失リスクの回避
一つずつ見ていきましょう。
1.資料保管スペースの削減
デジタルアーカイブは、紙ベースの資料保管に比べて圧倒的に多くのスペースを節約できます。
紙文書や物理的なメディアでは、多くの紙類やファイルが山積みとなり、広い保存スペースが必要になるケースも多いです。
しかし、デジタルアーカイブであれば、情報はすべて一つにまとめられ、オンライン上に保管されます。
そのため、貴重なオフィススペースやバックスペースを効果的に活用できます。
無駄な物理的な収納スペースを削減し、より効率的に作業環境を整えられるでしょう。
2.必要データの検索と取得を効率化
デジタルアーカイブは、ほしい情報やデータを検索し、取得するまでのスピードを高速化できます。
アーカイブ資料の機能として、キーワード検索やタグをつけることで、すばやく必要な情報にたどり着けます。
手作業での文書の整理や目次作成が不要になるため、手間のかかる作業を省略できるでしょう。
作業効率が向上するため、ほかの作業に時間を当てられるのもメリットです。
3.紛失・消失リスクの回避
デジタルアーカイブの重要なメリットは、紙文書や重要文化財の紛失や損傷のリスクが大幅に低減することです。
紙の資料は、火災や地震などの自然災害や個人の管理不足により、紛失してしまう可能性があります。
一方、デジタルデータは適切なバックアップやセキュリティ対策により安全に保護されるため、情報損失のリスクを回避できます。
また、複数人でデータを共有できるため、メンバー一人のデバイスが使用できなくなったとしても、代わりのメンバーのデバイスから閲覧可能です。
さらに、資料だけでなく、重要建造物が焼失してしまうリスクの回避にも役立つでしょう。
デジタルアーカイブのデメリット
デジタルアーカイブを利用する際は、下記のデメリットがあることも覚えておきましょう。
・セキュリティ対策する必要がある
・データが読み取れなくなる可能性もある
リスクを最小限に抑えるためにも、一つずつ確認していきます。
セキュリティ対策する必要がある
デジタルアーカイブにはセキュリティ上の懸念がつきものです。
オンラインでデータを保存する場合、不正アクセスやハッキングのリスクが存在します。
そのため、適切なセキュリティ対策が欠かせません。
強固なパスワードの使用や暗号化技術の導入、最新のセキュリティソフトウェアの利用を徹底してください。
これらの対策を実行することで、重要な情報や機密データをしっかりと保護し、不正なアクセスからのリスクを最小限に抑えられるでしょう。
データが読み取れなく可能性もある
デジタルデータは技術の進化に伴い古くなり、それまでの形式がサポートされなくなる可能性があります。
古いフォーマットやソフトウェアが使えなくなると、アーカイブされたデータが読み取れなくなる心配が生じます。
対策として、データの定期的なアップデートやコンバージョンが必要です。
また、互換性のあるフォーマットで保存するなど、将来のデータの読み取りに備えることも大切でしょう。
デジタルアーカイブの導入事例3選
デジタルアーカイブの導入事例を3つご紹介します。
さまざまな業界やシーンの事例を紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
1.企業|社内ノウハウの共有や研修資料として活用
デジタルアーカイブは、社外向けの公開データとして活用するのみではありません。
社内のノウハウや資料を、非公開データとして活用することもできます。
たとえば、三和工業では自社で保有している工場をデジタル化しています。
このデータを社内で共有することで、どこにどのような設備があるのかをメンバー全員が把握できます。
そのため、新人教育や、設備に関する情報のインプットにも役立つでしょう。
2.博物館|期間限定の展示をアーカイブ保存
博物館では、期間限定の企画展をデジタル化しアーカイブ保存可能です。
国内でも最大級の博物館「国立科学博物館」では、2021年1月26日〜4月4日まで「メタセコイヤ展」を限定開催しました。
この展示を360度カメラ(Matterport)で撮影し、実空間をそのままバーチャル上に再現しています。
展示の細かい特徴や看板のテキストまで詳細に反映されていることがわかります。
またこちらの映像をWebサイトに公開することで、一人でも多くの方に展示を楽しんでもらえる魅力もあるでしょう。
3.美術館|貴重な展示品を永久保存
東京都美術館では、期間限定で開催された「没70年 吉田博展」をデジタル化。
デジタル化のきっかけは、コロナで人の移動が制限されてしまったため、多くの人に展示を楽しんでもらう方法はないかと探したことだったといいます。
こういった貴重なコンテンツが集まった展示をデジタル上に残しておけることは、美術館・アーティスト・顧客すべてにとって嬉しいことではないでしょうか。
「【事例】あの東京都美術館をMatterportで撮影!映像のシステムや活用方法まで徹底解説」では、東京都美術館様のデジタルアーカイブ制作インタビューを掲載していますので、是非参考にしてみてください。
デジタルアーカイブの制作方法
デジタルアーカイブの制作方法は、制作するツールによっても異なります。
今回は、Matterport(マーターポート)というツールを活用した場合の制作方法をご紹介します。
1.アーカイブの活用目的を明確化
2.対象施設を撮影
3.データをクラウドにアップロード
4.デジタルアーカイブを活用
一つずつ解説します。
1.アーカイブの活用目的を明確化
まずは、デジタルアーカイブをどのように活用するか目的を明確にしましょう。
自社で制作する場合は、社内で共通認識を持っておくことで、スムーズに作成できます。
また制作会社に依頼する際は、目的を固めておくことで、ヒアリングから制作までスピーディーに進められるでしょう。
目的や活用方法がよくわからないという方は、制作会社に相談してみるのもいいですね。
2.対象施設を撮影
目的が明確になったら、いよいよデジタルアーカイブを制作します。
まずは、Matterportカメラで施設を360度撮影します。
Matterportは、一眼レフや通常のカメラとは異なり、Matterportカメラを撮影地点に配置しスキャンボタンをタップするだけで、空間を360度認識してくれます。
3.データをクラウドにアップロード
スキャンしたデータを専用のクラウドにアップロードすると、施設のデジタルアーカイブが自動生成されます。
現実空間をそのまま再現しているため、オンラインでも、施設のデザインやテキストまで詳細に読み取れます。
またデータ内には、追加の資料や画像データなども組み込めるので、必要情報を追加してみてください。
4.デジタルアーカイブを活用
編集まで完了したら、デジタルアーカイブは完了です。
WebサイトやSNSへ掲載したり、社内で共有したりと、さまざまな場面で活用してみましょう。
Matterportの詳細を知りたい方は「Matterport(マーターポート)とは? 5つの特徴や業界別の活用方法をご紹介」も参考にしてみてください。
デジタルアーカイブで重要コンテンツを永久保存しよう!
デジタルアーカイブとは、重要な資料・データ・建造物をデジタル化しオンライン上に保管したコンテンツのことです。
資料の保管スペースを節約し、データの検索と取得を効率的に行うことで作業効率を向上させる優れた手段です。
その一方で、セキュリティ対策や情報・システムのアップデートはリスクを防ぐためにも欠かせません。
デジタルアーカイブは、一般企業から美術館・博物館・教育機関まで幅広い業界業種で活用できます。
ぜひ注意点を押さえながら、重要コンテンツを永久保存しましょう。
弊社は、Matterportの販売代理店です。
デジタルアーカイブやMatterportに関するご相談はぜひお気軽にお問い合わせください。