Column
2026.06.09

点群データを処理するためのワークステーションの選び方

活用事例

皆様はワークステーションというPCを聞いたことがあるでしょうか。

3D関連のソフトやハードウェアを検討する際、必要となるワークステーションですが、そもそもワークステーションとは何か、一般のPCとの違い、必要となるケースをご紹介していきます。

INDEX

ワークステーションとは何か

ワークステーションは、一般的なPCに比べ高価で性能が高いというイメージは何となく抱かれていると思います。ワークステーションとは一般のPCに比べ、ハイスペックなCPU(中央演算処理装置)や専用のグラフィックボードが搭載されているPCです。皆さんが日常業務(メールやWeb、Office関連ソフト)で使用されるPCでは処理できない複雑なタスクを行う専用のPCです。

ワークステーションの特徴

ワークステーションは企業やプロフェッショナルな用途で使用され、専門的な分野においては、なくてはならない重要な役割を果たします。そのため下記のような特徴を備えることが要求されています。

1,高性能なCPU 

複数のCPUコアや高いクロック周波数のCPUを搭載し、複雑な計算処理を高速で行うことに特化しています

2,大容量のメモリ 

高速で大容量のRAMを搭載し、複数の重いアプリケーションを同時に処理可能

3,高品質のグラフィックカード 

特に3Dグラフィクスやビデオの編集を行うために、専用のグラフィックカードを搭載(グラフィックカードについては後ほど詳しくご紹介します)

4,拡張性 

拡張スロットやHDDの追加が容易にできる構造となっており、要求する作業に応じて性能の強化が可能

5,信頼性 

複数日に跨った連続稼働など、高い信頼性が求められる環境での使用を想定した、信頼性の高い電源やパーツで構成されている

ワークステーションの用途

ワークステーションは下記のような専門的な分野での使用を想定して作られています。

1,科学技術計算

シミュレーションなどの複雑で超大規模の演算処理

2,映像編集

4Kや8Kの動画の編集やエンコード

3,金融分析

複雑な条件や状況、環境、経済に合わせて生き物のように変動する金融の分析

4,3Dモデリングや点群処理

3Dでの軽快なグラフィック処理や、大量の点群を処理するタスク

3D 関連でワークステーションに要求されるスペック

ワークステーションといっても、用途によって要求されるスペックも少し異なります。それではここからは、3D関連で要求されるワークステーションについて掘り下げていきます。

 

3Dの処理においてワークステーションが絶対必要となる場面は、点群処理の分野です、一昔前は点群処理とCADとなっていたのですが、CADに関してはAutodesk社のFuson360など、通常のPCで軽快に動作するCADが出てきましたので、その要求は少し下がりました。(工場全体の設計などの場面ではまだまだワークステーションが要求されています)

 

点群処理とは、3Dスキャナーで収録したXYZの座標値を持った点の集合体を処理するタスクです、3Dスキャナーにおいては、物体や空間をレーザーやカメラでデータ収集しますが、その際データはXYZ(縦、横、高さ)の寸法データを持った1点1点の点として収録します、手のひらに乗る大きさのスキャンデータを収録するハンディスキャナ、EinScanなどであれば数十万〜数百万点、空間を測定するFARO FocusやMatterport Pro3であれば数億〜数十億点の収録データとなります。

 

これらのデータを読み込むには大規模で高速なメモリ領域と、大量の点を画面に表示し、さらに画面上で自由に回転させる処理に高性能のグラフィックボードが必要となります。

3Dのハードやソフトを使用する環境においては大容量で高速なメモリと最新のグラフィックボードを備えたPCが必須となります。

 

グラフィックボードとは

グラフィックボードとは

グラフィックボードとは名前の通りグラフィック(画面描写)を担当する専用の処理装置です。あれ?普段使ってるPCもグラフィックボードなんてないけど普通に画面描写してるぞ?と思った方もいるかと思いますが、現代の一般使用されるPCに搭載されているCPUでは、CPUにグラフィックボードが内蔵されています。ただし、非常に小さなCPUに搭載するので機能は限定的となります。

対してワークステーションに搭載されるグラフィックボードは、チップとそれを冷やす大型の冷却フィンとファンを搭載しているため非常に大型となります。

ゲーミングPCなどをご覧になったことがある方は、PC内部で光ったりする、かっこいいグラフィックボードを見たことがあるかもしれません。

グラフィックボードが担当する処理とは

グラフィックボードはグラフィックを描写する処理を行っていますが、そもそも画面のグラフィックとは、画面のドット(4Kであれば3840×2160 = 8,294,400ドット)それぞれにRGBの色番号で色分けされた点を描画する処理を担当しています。

CPUとなぜ別々に処理装置が必要なのかというとCPUは複雑なタスクを要求されるのに対し、グラフィックボードは単調な作業を大量に要求されることに違いがあります。よく使われる例えとして、人間に例えた場合一人の天才と大人数の普通の人という要求タスクの違いと言われます。

グラフィックボードのメーカー

グラフィックボードもCPUと同様に供給できるメーカーは限られており、現在広く一般に普及しているグラフィックボードメーカーは下記2社のみとなっています。

 

NVIDIA

NVIDIAは1993年に設立されたアメリカの半導体企業で、GPU(グラフィックプロセッサ)の開発で有名です、ゲーム、AI、データセンター向けの製品の開発と製造を行っています。

 

AMD

AMD(Advanced Micro Devices)は、1969年に設立されたアメリカの半導体企業で、CPUやGPUの開発と製造を行っています。PC、サーバー、ゲームAI向けに高性能なプロセッサやグラフィックス技術を提供しています。

グラフィックボードの種類

 

・ゲーミング用途

ゲーミングPCに搭載されているNVIDIA RTXシリーズと、AMDのRadeon RXシリーズ。

 

・ワークステーション用途

ワークステーションに搭載されているNVIDIA RTX Aシリーズ(旧Quadro)とAMD Radeon Pro Wシリーズグラフィックボードが、ゲーム用とワークステーション用で別々の製品シリーズとなっているのには重要な理由があります。

ワークステーションはグラフィックス描画に特化した要求をされるのに対し、ゲームではグラフィックスとサウンド処理、コントローラーなどの入力デバイスの管理などより広範囲なマルチメディア処理が必要となり、それぞれソフトウェアを開発する土台が異なっています。

ゲーム用途ではDirectX、ワークステーション用途ではOpenGLというAPIを土台としてソフトウェアが設計されています。3D関連の点群処理やCADではOpenGLが使用されるケースが多く、これがゲーミングPCではなく、ワークステーションが必要とされる理由です。(ただし、全ての3DソフトがOpenGLという訳ではなく、DirectX(ゲーミングPC)を要求する3Dソフトウェアもありますので、こちらは購入元に確認が必要となります)

このため、ワークステーション用グラフィックボードではOpenGL、ゲーム用ではDirectXの処理に特化した開発が行われております、もちろんワークステーションだからゲームができない、ゲーミングPCだから3Dソフトが動かないという訳ではないのですが、より特化した製品を選ぶことで、最高の作業環境が入手できるのでこれらの製品選択は、より高いスペックが要求されるプロのクリエイティブな現場で非常に重要な要素となってきます。

ワークステーションを要求される有名な3D関連ソフト

Infipoints

工場全体やプラントの配管など数億点クラスの点群を処理するソフトウェアです。

Polywork

工業製品のスキャンデータと3D設計CADを比較検査を行うためのソフトウェアです。

有名なワークステーションメーカー

最後に、ワークステーションってどうやって買うの?ということで3Dソフトウェアの用途でよく使われるワークステーションを提供しているメーカーをご紹介します。

どちらのメーカーも選択した製品からさらにメモリやストレージなどのカスタマイズが可能なので、要求にあったワークステーションを入手しやすく、3D関連ソフトを販売する際によく選定されています。

Dell

Dellは1984年に設立されたアメリカのIT企業で、PCやサーバー、ストレージソリューションを提供しています。カスタマイズ可能な製品や企業向けソリューションで世界的に知られています。

Dell PrecisionシリーズでCADや映像編集向けの高性能ワークステーションを提供しています。

HP

HP(Hewlett-Packard)は1939年に設立されたアメリカのIT企業で、PC、プリンター、サーバーなどを提供しています。技術革新で業界をリードし、世界中で企業や個人向けソリューションを展開しています。

「HP Z」シリーズで、デスクトップとモバイルワークステーションを展開しています。

 

ワークステーションを使わずに空間スキャンデータを処理する

工場・プラントなどの空間情報の共有には点群データとそれを処理するワークステーションが必ず必要だと思っていませんか?Matterport(マーターポート)なら普段お使いの一般的なビジネス向けパソコンやタブレットで3Dデータの編集・共有・公開が可能です。

Matterportとは

Matterportはパノラマ写真から高精細な3D画像を作成できるサービスです。

 

 

工場やプラント店舗を複数地点撮影してMatterportのクラウドにアップロードするとAIが各パノラマ写真を結合して歩き回れる「3Dウォークスルー」や俯瞰図・平面図を自動で作成してくれます。

社内外で3Dデータの共有をしたいならMatterportがおすすめ

以下のような課題をお持ちの方は、ぜひご相談ください。

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