利用者の目線から
360度見せたいところを
分かりやすく見せられる!
エクステリア商品開発部
第四商品開発室 非住宅商品開発T
公共エクステリア製品は
現場ごとに
施工条件が異なる
私が所属しているエクステリアの非住宅商品開発Tは、学校や官公庁の施設、工場、物流施設といった、いわゆる非住宅の外構・土木向けエクステリア製品を開発しています。製品には手すり、フェンス、通路屋根などがあり、現場ごとに、施工条件やサイズ、デザインなどが変わり、同じ製品であっても同じような現場を目にする機会は多くはありません。特に、公共エクステリア製品は大型のため、ショールームでは展示ができず、現物を確認することができないという背景がありました。設計者や施工者は、施工前に様々な観点から製品について知っておく必要があります。カタログや図面、取付説明書などを事前に準備し、打ち合わせを行いますが、これらの資料を準備するにも多くの時間を必要とします。さらに、デザインや施工方法の確認など業務を進めるにあたっては、多くの人とイメージの統一を図っていかなくてはいけません。
そうした中で施工事例写真は、
非常に重要視されています。
現状の一般的な施工事例写真では、全体像を見せる画像1枚~2枚で展開されているものが多く、施工イメージは分かるけれども、施工の詳細が分からないという問題点がありました。例えば門扉の場合、回転して開けるのかスライドして開けるのか、また製品だけではなく外構関係の地面の水勾配をどの方向につけるのか、製品と擁壁との隙間はどれぐらいなのか、といったことです。同じ製品が使われている施工現場を見に行ければいいのですが、場所が遠かったり、時間がかかったりと現実的にはなかなか難しい。
施工現場に行かずに製品にすぐにアクセスでき、施工のポイントや寸法などを事前に確認できるツールはないだろうかと思案していたときに知ったのがMatterportでした。
利用者の目線から
360度見せたい
ところを分かりやすく
見せられる!
これまでの施工事例というのは、
いわばメーカー目線でした。
2Dのキレイな施工写真で、極端に言えば「この製品のデザイン、かっこう良いですよね」という製品アピールの見せ方が多く、画像の枚数も多くて3枚くらいしかのせることができませんでした。しかし、Matterportで撮影すると、3Dの映像で「分かりやすさ」を目的に撮影ができます。利用者自身もバーチャルで360度自由に見たいところを見られるようになったため、非常に能動的に詳細を確認することができるようになりました。このメリットを最大化するため、私たちはMatterportを使ったバーチャル施工写真集「E-Real@site」を立ち上げました。引き戸やフェンスなどの外観・内観・鳥瞰、昼と夜の状況の違いといったさまざまな視点から詳細を確認できますし、オーニングのように屋根が動く製品の場合はルーバーが開いている状態や閉まっている状態を比較して見せることも可能になりました。
現場に行かなくても
バーチャル施工写真集
「E-Real@site」で製品の詳細、
施工ポイントがすぐ分かる
このサイトは設計者・施工者様から大きな評価をいただいていて、「これまでは施工事例をGoogle Mapで探すしかなく大変でしたが、施工事例を探すのが楽になりました!」「情報の共有ができて話が正確になるため後戻りがなくなった」「スマホで確認できるのは便利」「製品を見たことがない新人教育にも役立っています」といった、さまざまなうれしいお声をいただいています。現在サイトに掲載している施工現場数は35箇所ですが、その中で見られる製品数は、166製品もあります。「多くの商品の施工事例が欲しい」というお客様からの言葉に応えられるよう、これからも頑張っていきたいと思います。
バーチャル施工写真集 E-Real@site
スピーディーに撮影でき
時短につながる
傾斜補正や
露出補正など
自動補正機能も便利
通行人の顔を自動で
ぼかすことも可能
私たちは、1現場の1つの製品が大型の場合は30ポイントぐらい撮影しています。そうすると撮影時間にそれなりの時間を必要とするわけですが、Matterport Pro3カメラのスキャンスピードがとても速く、大変助けられています。撮影コストも抑えられますし、真夏のオーバーヒートにもなりにくい。人間の体力も抑えられるので、短い時間でスピーディに撮影できるところは非常にありがたいですね。また、屋外の撮影という点では、通行人の映り込みは避けられません。しかし、Matterportは人物の顔を自動認識してくれて自動でぼかしを入れてくれる機能があるので助かっています。さらに軽微な傾斜の自動補正や、露出の自動補正機能も、屋外での撮影に非常に有用ですね。先ほども申し上げましたが、弊社は公共エクステリア製品のショールーム展示を行っていないため、実際の施工事例が展示物になるわけです。しかし実際問題、現場に足を運ぶのは難しいもの。例えば学校が現場ですと、許可取りをしたり、立ち合いの時間を調整したり、何かと手間がかかります。そこでサイトを通じて、ゆっくり詳細を見ることができる。しかも計測までできるという点は大きいですよね。デジタルだからこその強みに高い評価をいただいています。
GARDEN
ANNEX
例えばこちらのプールのあるお庭のケースに関してですが、オーニング(日よけ)がリクシルの製品です。動線を歩いていくと360度確認することができます。最初は屋根が閉じている状態ですが、外側の動線を歩くと屋根が開いている状態も確認できます。
5色のタグに
それぞれ内容を集約
さらにサイト内には5色のタグを用意しており、青いタグを触ると商品ホームページ・商品カタログ・取付説明書にアクセスできます。緑のタグからはCADやBIMのページに飛べ、データをダウンロードすることもできます。赤のタグはこちらの施工事例と同じ製品を使った他の施工事例を確認できます。紫のタグは、2Dの施工事例を紹介しています。また、BIMのデータがある製品に関しては、オレンジのタグからBIM操作説明の動画へ飛ぶことができます。
ナイトビューの撮影も
この事例は昼間だけではなく、ナイトビューを押すと夜に撮影したデータが立ち上がるように作成しました。室内からの庭の環境を確認することもできます。画像はとてもきれいで、かなり近いところまで寄れるので、設計者・施工者の方が細かいところまで確認できます。更に製品の不明点があればお問い合わせボックスから弊社セールス担当へ簡単に連絡を取ることができます。また、サードパーティアプリ・Treedisを使って、UIをカスタムしていることもポイントです。
最初の相談から
気軽に相談できて
安心して
チャレンジできる
導入の時から色々と相談にのっていただいたことが大きかったですね。エクステリア製品は屋外で撮影するのですが、当時はまだノウハウがなくわからないことだらけでした。そんなチャレンジから相談にのってもらえ、実際に現場撮影を一緒に進めることができました。野原さんと契約してよかったと感じています。
現在、「E-Real@site」で詳細を確認できる製品はエクステリア部門のものだけなのですが、実はリクシルにはサッシやタイルや水まわりなど数多くの製品があり、ひとつの現場でも様々な製品がたくさん使われています。今後、Matterportを通して、リクシル製品での住空間全体を紹介していけるようなアプローチができれば、リクシル本来の在り方を多くの人にお伝えしていけるのではないかと、さらなる可能性を感じています。